物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

灯台へ ヴァージニア・ウルフ 1927 イギリス

ウルフの小説の素晴らしい所は、なんでもない一日、いや一瞬でさえも、抽象化されて高度な次元の一日、一瞬になっている所。食事についての会話を描きながら、それが人生について、人間が生きていること、今についての描写になっている。名づけようのない感情や、語りえぬものを見事に語っている所。