物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

2006-01-01から1年間の記事一覧

フリアとシナリオライター マリオ バルガス=リョサ 1982 ペルー

途中、ちょっと建築の本に浮気してしまったが、その後は一気に読めた。 ペドロのラジオのシナリオと、フリアと僕の話が交互に進むのだが、フリアと僕の進展が早く読みたくてペドロのラジオシナリオを急いで読んでいたらいつのまにかペドロのシナリオに心を奪…

愛の続き イアン・マキューアン 1997 イギリス

上手な本。構成は考え抜かれているし、人物の心象描写は痒い所に手が届くよう。細かい心のヒダがネチネチと描かれている。そして、最終的に表面に表れる文章はここに至るまでの苦労をまったく感じさせず、ツルツルッとしてて読みやすい。 読みやすいけれど、…

ガタラの豚 中島らも 1993 日本

電車乗り越しました。しかも朝の通勤の電車を。 つまり、この本はエンタテイメントという事だね。一気に読みたい。 しかし、人が死ぬ、死ぬ、死ぬ。秋山ルイ先生まで死んだのは哀しかった。 バキリはなんで、あんなに人を呪いたがっているのかねー、それは最…

ダンス・ダンス・ダンス 村上春樹 1988 日本

はじめての村上春樹。 文章はとても読みやすかった。この読みやすさとセンチメンタリズム(だけど深そう)なのが大勢の人に支持された理由かな。 村上春樹の本は読みやすいわりに、その内容は難解で云々といったような評論を読んだけど、 そうかなぁ〜、そん…

夜ごとのサーカス アンジェラ・カーター 1984 イギリス

主人公の女性が背中に翼が生えてる割にはそんなに活躍するわけでもなく、金に目が眩んで失敗したりしているのが不思議な感じだった。羽が生えてるけど、普通の女性。 サンクトペテルブルクでのサーカス団の様子−ミニヨン、アビシニアの女王と虎、そして、怪…

ミドルセックス ジェフリー・ユージェニデス 2002 アメリカ

うん。この話は青春小説だ。例えば『百年の孤独』とかを期待してこの小説に取りかかるとなんだか面白いけれど、少し浅い所がある。と思うかもしれない。でも、カリオペの思春期についての話としてみるととてもしっくりくる。最後には希望も残されているし。…