物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

2010-01-01から1年間の記事一覧

鳥類学者のファンタジア 奥泉光 2001 日本

いいライブを見終わって、その幸福感にまだつつまれているような読後感。 うきうきわくわく。こういう話はね、冒険がどんなに過酷になっても最後はハッピーエンドで終わるって分かるから、来るべき大団円を心待ちにしつつ、(早く読んでしまいたいような、ま…

吾輩は猫である殺人事件 奥泉光 1996 日本

きっと、「吾輩は猫である」を読んで登場人物に対して愛着があればもっと面白かったんだろうなー。なにせあの有名な出だししか知らず、犯人は寒月だ、東風だと指摘されてもよく分かっていないので、あれ誰を犯人として指摘してたっけ??となってしまった。…

火山の下 マルカム・ラウリー 1947 イギリス

最愛の妻イヴォンヌに捨てられ酒浸りの日々を送っているというよりは、酒浸りのせいで最愛の妻に捨てられた領事の酩酊具合が滑稽でたまらない。突然戻ってきた妻イヴォンヌとの会話の最中にも、最終的に頭の中に浮かぶのは、とにかくまず酒を一杯飲まなけれ…

city アレッサンドロ・バリッコ

「好きなんだ考えることが、ずっとそうする」 変わってるけどね。切ないでございます。読む時、登場人物の誰かに肩入れして読むことってあるでしょう。グールドとシャッツィ。シャッツィの側に感情移入していたから、最期、あんな風に終わってしまって非常に…

わたしたちが孤児だったころ カズオ・イシグロ 2000 イギリス

読ませるのがうまいんだよこの人は。純粋なミステリーじゃないから、謎なんてきちんとは解かれないし、きっとたいした謎じゃないし、その謎を知ったところで悲しみが増すばかりだと分かってはいるものの、先が気になって読まずにはいられない。やっぱり読ま…

フロベールの鸚鵡 ジュリアン・バーンズ 1984 イギリス

おーもしろかったよぉ アイロニーを愛するものはアイロニーに取り憑かれる その通り 現代 アイロニーに満ちている まさしくそのとおり