物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

2011-01-01から1年間の記事一覧

六月半ばの真昼どき マリー・ルイーゼ カシュニッツ ドイツ

短編集です。短編にはざっくり大きく分けて2種類あると思う。一つ目は何か現実的な事件などが起きて、それが思いもかけない形で解決されるもの。そしてもう一つは何も起きないもの。ーいや、何かは起きているんだけど、それは具体的な形をとっていなかった…

通話 ロベルト・ポラーニョ

普段は短編小説は好んで読まないけど、今年出遭ってしまった凄い才能〜ロベルト・ポラーニョ〜の日本語訳で読める小説なのでむさぼるように読んだ。 短編小説というと、ちゃんと起承転結があって、ラストのどんでん返しでどれくらい読者をびっくりさせられる…

野生の探偵たち ロベルト・ポラーニョ 1998 チリ

カフェのカウンターから道行く人を眺めて、彼らの一瞬一瞬の人生に立ち会っているような気分になる。主人公の2人、アルトゥール・ベラーノとウリセス・リマ、その2人と関わった時と私の人生ってやつを54人の人が語る。全て違う人が話すわけじゃなくて、…