物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

2005-01-01から1年間の記事一覧

アウステルリッツ W・Gゼーバルト 2001 ドイツ,(イギリス)

こっちの方が面白かった。語り口が端正でとても綺麗。読めない漢字(けど、意味は分かる)が幾つかあったのが悔しい。 しかし、ユダヤ人迫害(ホロコースト)という問題はヨーロッパ人の間に深く根をおろしているんだなぁと嘆息する。この二冊の本は急に本が…

コーヒーの水 ラファエル・コンフィアン 1991 (マルティニーク島),フランス

マルティアック島という太平洋にある島の話し。 久々にこういうマジックリアリズム的な構成の話しを読んだので最初は少し混乱した。後書きに著者インタビューがあって、彼がそこで語っている島と黒人奴隷の歴史と現状を奇想天外な物語に置き換えるという事に…

ダロウェイ夫人 ヴァージニア・ウルフ 1925 イギリス

「めぐり合う時間たち」という映画の元ネタになった小説。映画を見た時はこの小説を読んでみたいと強く思ったわけでは無かったが、その後本屋でたまたまみつけて冒頭を少し読んで、面白そうだなと思い、いつか読んでもいいかなぁと頭の片隅に置いておいた所…

マノン・レスコー アベ・プレヴォー 1731 フランス

椿姫にでてきた物語。 この本は非常に読みやすい。なぜなら、描かれている感情が一つしかないからである。恋の激情 その感情しか書かれてない。それだけで成り立っている物語。 話しの構成も単純で、主人公二人のやっている事は、一緒に暮らす→なにか事件が…