物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

ミドルセックス ジェフリー・ユージェニデス 2002 アメリカ

うん。この話は青春小説だ。例えば『百年の孤独』とかを期待してこの小説に取りかかるとなんだか面白いけれど、少し浅い所がある。と思うかもしれない。でも、カリオペの思春期についての話としてみるととてもしっくりくる。最後には希望も残されているし。男になったカリオペと祖母のデスデモーナとのやりとりは胸に染みました。マイク神父の誘拐詐欺とミルトンの死ぬ間際の記述も良かった。何故かここに登場する夫婦の熱いロマンスは年を重ねてくるに従って亡くなっていく。怒鳴りあうようになる。それが面白かった。