物語と手をつないでく

読んだ本について書いています。海外小説が多いです。

セバスチャン・ナイトの真実の生涯 ナボコフ 1941 ロシア(アメリカ)

「水中の青白い砂の上に宝石が輝いているように見えるので深く肩まで腕を突っ込んだ後で、にぎりこぶしのなかに発見するただの小石は、日常的な日の光に乾かされると小石のように見えるけれども、本当は垂涎ものの宝石なのだという事をぼくは知っている」
人によってナボコフを好きになる理由は数あれども、彼の魅力の一つに、この細かい情景描写それは心理描写にもなっているのだけれどもがあると思う。